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出会い
無視されているわけではない。悪口を言われているわけでもない。
それでも、この教室(せかい)は私には生きにくい。
白石琴子、中学2年生、13歳。
夏の兆しが見える五月、今日も登校する。草木が生い茂りすぎた細い山道を歩く。始業5分前。
通学路の長い長い坂。この曲がりくねった一本道を息を切らしながら登ってもどうせ、たどり着くのは学校で。
今日も私は鬱々とした気持ちで、登校時間のピークをすぎて、すでに誰もいなくなった通学路をひとり歩くのだった。
ド田舎。山の上にある、全校生徒100人程度の中学校。1学年につきクラスは一つしかなく、そのメンバーも近隣の小学校からの持ち上がりであるため、クラスメイトのほとんどは問答無用で8年来の幼馴染である。
だが、長い月日を共にしたからといって、クラスメイト皆が友達といった幻想を抱くのは危険だ。
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