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''アイツ''
うちの中学からはほとんどが北洋高校へと進学する。私もそのうちの1人だ。
街ですれ違う女子高生達は皆楽しそうで、私も中学を卒業してずっと胸を踊らせていた。
1つだけ、不安なことがあった。それは莉愛が同じ学校であるかもしれないこと。
何が問題かって、私の中学時代は莉愛によって潰されたのだ。
毎朝私の元へと来るアイツ。一見仲良さそうに見えるかもしれない関係。見て見ぬふりする先生達。アイツを取り囲む仲間たち。
アイツはなんでも出来て人気者の私が嫌いだった。勿論私もアイツが嫌いだ。
────家族を殺されたから。
私は莉愛を恨んでる。勿論莉愛の仲間も恨んでる。少年法によって守られたアイツは少年院に入ることはなかった。
中学を卒業したとき、アイツは知らぬ土地へと引っ越した。
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