第二章 それまでは夫婦でいさせて

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「どうしてそこまで、私に拘るの?」 「俺は純華が好きだからだ」 彼の答えを聞いて、私の口から重いため息が落ちていく。 「私のどこがいいの?」 「真面目で、笑うとすっごく可愛いところ」 「……は?」 即答されて、穴が開くほど矢崎くんの顔を凝視していた。 真面目は、わかる。 真面目すぎて周囲からは敬遠されがちだ。 でも、〝笑うと可愛い〟が理解できない。 それだけならまだしも、さらに〝すっごく〟がつくともう、わけがわからなかった。 「えっと……。 その眼鏡、あってる?」 もうそれ以外に私が可愛く見える要素なんて考えつかない。 「あってるが? 一週間前に新調したばかりだし。 てか純華、気づいてくれないんだもんなー」 不服そうに彼が唇を尖らせる。 「……ごめん」 なんとなく謝ったが、これは私が悪いのか? 前と同じ黒縁スクエアの眼鏡だから、どこが変わったのかわからないんだけれど。 「純華は笑うと可愛いよ。 俺はその笑顔に惚れたんだ。 きっと純華は、覚えてないだろうけど」 「はぁ」
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