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「大丈夫だ。
問題提起から解決案までセットで提案すれば、将来の経営者テストとして見てくれるからな。
それにうちには目安箱制度もあるだろ。
あれだ」
笑って彼は唐揚げを食べているが、そんなもんなのかな。
ちなみに目安箱制度とは、役員に直、誰でも意見を上げられる制度だ。
江戸時代の制度から通称で目安箱と呼ばれているが、正式名称は別にある。
一階ロビーにコーヒーショップが入ったのも、このシステムに提案があったかららしい。
「じゃあ……。
よろしくお願いします」
改めて正座をし、矢崎くんに頭を下げる。
なにはともあれ、仕事の負担が減れば嬉しいし。
「よせよ。
俺は純華のためだったらなんだってするよ?
それにこれは、会社の問題でもあるからな」
重く彼が頷く。
こういう彼の真面目なところは、昔から尊敬していた。
「……で。
りこ……」
「しない」
みなまで言い切らないうちにまた、全力で拒否される。
しかもそっぽを向いて私と目すらあわせないし。
「なんでそこまで、私との結婚に拘るのよ?」
面倒臭いとため息が落ちていく。
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