第二章 それまでは夫婦でいさせて

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もしかしたら親子の縁を切ると言われるかもしれない。 そのときは矢崎くんには悪いけれど、母を取る。 私はもう、母をあの男の件で悲しませたくないのだ。 「わかった。 できるだけお母さんに気に入られるように頑張るよ」 力強く頷く彼は頼もしかった。 遅くなったので互いの家に帰ろうと提案したものの。 「じゃあ、俺が純華んちに泊まるー。 俺のお泊まりセット置いてあるから、問題ないだろ?」 悪戯っぽく顔をのぞき込み、もうその気なのか私の手を掴んで矢崎くんはタクシーを拾っている。 「うっ。 そ、そうだ、ね」 そうだった、酔って送ってもらうことが多いから、遅くなったときは泊まれるように置いてあるんだった……。 タクシーで私の住んでいるマンションに向かう。 もちろん矢崎くんちのような高級タワマンではなく、ごく普通の1LDKマンションだ。 入れ替わりでさっさとお風呂を済ませてしまい、布団に入る。 矢崎くんはいつも、リビングに引いた布団だけれど、今日は。 「純華と一緒に寝るー」
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