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連日のオーバーワークと今朝は母からの電話で気力を削られ、いつもよりも疲れた顔をしている自覚があった。
「今日はいつもにもまして、クマが酷いぞ」
「うそっ!?」
矢崎くんに顔をのぞき込まれ、足が止まった。
昨晩は温タオルで温めてマッサージし、朝だってコンシーラーで念入りに隠してきたつもりなのに。
「係長になったからって、頑張りすぎ」
「あっ」
私の手を掴み、彼は見えてきたコーヒーショップへと向かっていく。
「コーヒー奢ってやるから、少し肩の力抜け」
「……ありがと」
気づいたときには注文カウンターの前にいた。
ありがたく、カフェラテを注文する。
矢崎くんはこのとっつきにくい私と気さくに接してくれる、貴重な存在だ。
「今、ショッピングモールのオープニングイベントの仕事してるんだっけ」
「そう」
互いに頼んだものを受け取り、店を出てまた歩き出す。
「ま、無理はするなよ」
矢崎くんが慰めるようのぽんぽんと軽く肩を叩いたところで、会社に着いた。
無理はするなと言われても、係長になって初めて任された仕事だ。
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