第一章 同期と勢いで結婚しました

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何度もいうが、地味だけならまだしも第一印象が〝怖い〟私は、男性とは縁がない。 矢崎くんが唯一の、男友達なのだ。 「そうか? 純華ってけっこう、可愛いと思うけどな」 「可愛い……」 言われない単語を彼が口にし、頬が熱くなっていく。 それを誤魔化すようにちびちびと届いたお酒を飲んだ。 「……そんなこと言うの、矢崎くんくらいだよ」 「だとしたら、他のヤツは見る目がないんだな」 ふっと薄く笑い、彼がお酒を飲む。 ますます顔が熱を持ち、意味もなく空になった枝豆のお皿に、ひとつずつ殻を箸で摘まんで戻していた。 「ちょっと確認するが」 「うん?」 グラスをテーブルに置き、急に矢崎くんが居住まいを正す。 おかげで、私の背筋も伸びていた。 「純華は結婚、したいのか?」 「あー、そうだねー」 視線が宙を滑る。 したいのかしたくないのかといえば、一度くらいしてみたい。 それに母を安心させてやりたい気持ちもある。 「……したいのは、したい。 ただ、相手が……」 「相手ならここにいるだろ?」 「……は?」
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