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何度もいうが、地味だけならまだしも第一印象が〝怖い〟私は、男性とは縁がない。
矢崎くんが唯一の、男友達なのだ。
「そうか?
純華ってけっこう、可愛いと思うけどな」
「可愛い……」
言われない単語を彼が口にし、頬が熱くなっていく。
それを誤魔化すようにちびちびと届いたお酒を飲んだ。
「……そんなこと言うの、矢崎くんくらいだよ」
「だとしたら、他のヤツは見る目がないんだな」
ふっと薄く笑い、彼がお酒を飲む。
ますます顔が熱を持ち、意味もなく空になった枝豆のお皿に、ひとつずつ殻を箸で摘まんで戻していた。
「ちょっと確認するが」
「うん?」
グラスをテーブルに置き、急に矢崎くんが居住まいを正す。
おかげで、私の背筋も伸びていた。
「純華は結婚、したいのか?」
「あー、そうだねー」
視線が宙を滑る。
したいのかしたくないのかといえば、一度くらいしてみたい。
それに母を安心させてやりたい気持ちもある。
「……したいのは、したい。
ただ、相手が……」
「相手ならここにいるだろ?」
「……は?」
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