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抵抗
なぜか、隣にいたお姉さんにも目線を合わすと、親指を立てて、満面の笑みで僕の方を見る
誰も助けてくれない…なんて…
こうなったら…駄々をこねる!
「ねぇ!ちょっと!やめて!やだやだ!僕未成年!犯罪!しかも、僕の顔を見て!オメガじゃないでしょ!ベータの顔してる!」と言うとため息をついて「とっても可愛い顔だし、このチョーカーをどう説明するんだ?」
「そ、それは…オメガの役で…」
「この甘ったるい匂いは?」
「ええっと…香水…?」
「そんな香水どこにも売ってない。大人しく従うんだ」
そんなこと言われたって…絶対アルファになんか、従うもんか!
「ほんとに嫌なんです…だから…また今度、改めて…そういう会を作って…ベータのこと証明するから!」と言うけれど、無視され黒塗りの高級車の中に入れさせられた
怖いお兄さんが横に座って「これ以上、車の中でも騒ぐなら、さっきのよりもっと濃厚なキスをしてやる。力が抜えて立てなくなってもいいならな」と脅された
キスはされたくないけれど、ここから逃げないと…このお兄さんに…
そんなこと考えるより、逃げることを考えよう。と思って考えたが、後ろの車も怖そうなお兄さんたちが運転していたり、ルームミラーで運転手さんを確認するとさらに怖そうなお兄さんと目が合い、僕の体は固まる
やっぱり逃げられそうにない…やっぱり…着いた時にお兄さんに一発蹴りを入れて逃走
でも、この人たちどう見てもヤクザだし、人に蹴りを入れたことなんて一度もないから、上手くできなくて、殺されるかもしれないし…などと考えていたら、着いたぞと言われお兄さんが先に外に出て、僕も外に出なくちゃ行けないと思ってドアを開けようとしたら、先にお兄さんにドアを開けられて手を握られ「どうぞ、お姫様」と言ってエスコートされるけど、アルファなんかに従うのはごめんなので、手を振り払って「車ぐらいひとりで降りれます!それに!触らないでください!」と言ってやった
あと、蹴りを入れなくちゃ!そしたら、逃げられる!そう思って、足を上げて、お兄さんの横腹付近を狙って蹴ろうとしたけど、足を掴まれて「ふっ…短い足だな…」と鼻で笑われた
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