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時は昭和の終わり頃
私が高校生だった頃経験した出来事です
朝、病院から祖母が危篤と連絡があり病院まで行った
田舎なので近くに入院設備のある病院までは小1時間
当然着いた頃にはもう祖母は亡くなっていた
それから慌ただしく時間が過ぎていった
葬式は葬儀場ではなく、家で行なった
ほとんどのことは葬儀社と近所の親戚が
メインで行なった
次の日が友引ということもあり
葬式は明後日になった
父親は遠洋漁業で不在
母親は最近再婚したばかり
姉は結婚して第一子を出産したばかり
事実上の喪主は5歳上の兄になった
当時はまだ渦巻き型の線香は無く
夜通しで線香を絶やさない為に
数人で仮眠を取りながら過ごした
田舎ということもあり参列者は多かった
祖母は生まれも育ちもこの集落なので
ほとんどの人が知っている
葬儀は滞りなく終わった
そして出棺
当時はまだ土葬が主流
祖母は割と体格がよくそこそこ体重があった
そして父親が割と見栄を張るタイプなので
棺桶の板が分厚くて
棺桶自体がかなり重かった
そして墓までメイン通りを通り
約2Kmを4人で担いで歩いた
そして墓に埋め
その日のうちに初七日法要
やっと終わり落ちつた
その日まではあまり寝れなかった事もあり
その日は22時位には眠りについた
そして夜中にふと目が覚めた
家の裏の東側のドアが鳴っている
あぁ風か
そう思っていたら今度は南側の玄関が
次には東側の応接間窓が
その時おかしなことに気付いた
自分の部屋の窓も東側にある
家の裏は山
家の前は海
1階の窓が鳴って2階の自分の部屋の窓が鳴らない
そして応接間の西側の窓
西側の勝手口
次には2階の廊下の窓
ここで更におかしなことにに気付いた
家の窓やドアは素材や大きさの違いから
ある程度分かるが
風なら東側な東側、西側なら西側全てが鳴らないとおかしい
自分の南側の部屋の窓が全て鳴り終わった後
最後に自分の部屋の東側の窓が鳴った
この鳴っている音は実際に鳴っている音でないことに
この時ハッキリ解った
そして窓の外から視線を感じた
と、同時に体が金縛りの様な感覚に襲われ
硬直してしまった
どの位時間がたったのか
わずか数秒だと思うが
体感的には2~3分は感じた
視線が無くなったと思った瞬間
体中の力が抜けた
そう言えば亡くなった後
魂が家に帰ってくるから
その人が一番出入りに使ってた所を
少し開けておく
この地方にはそんな言い伝えがあった事を思い出した
そして次の日
寝る前に少し玄関を開けて寝た
また、夜中に目が覚めた
それは玄関が勢いよく開く音がしたからだ
兄が帰ってきたのかなとも思ったが
閉まる音がしない
玄関を開けたら、普通は閉めるものだ
それからいきなり階段を昇る音がした
2階は自分の部屋と空き部屋だけ
夜中に人が来る事は無い
そしてまた、視線を感じた
昨晩同様体が動かない
しかもその視線を送る人物の体勢が
階段の途中から体を乗り出して
頭だけが2階の廊下に出ている
と、いう感覚が伝わってきた
また、昨夜同様体が硬直
暫くして
視線が無くなったと思った瞬間
体の硬直が解けた
階段を降りる音は聞こえなかったが
1階の廊下を通る軋み音が聞こえた
その直後玄関が激しく閉まる音
暫く眠れない時間が続いた
そして空が薄っすら明るくなりかけた時に
1階に降りて玄関を確認した所
玄関は閉まっていた
そんなことを経験しました
これを読んだ人は
単なる錯覚でしょ
と、思うかもしれません
この事を兄に話してみました
そしたらこの数々の音を
兄も聞いていたのです
これは数少ない自分の経験した事です
では、今回はここまでとします
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