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お花見
バレイショー艦長とその部下コークはゲームを満喫していた。
「桜の咲き具合はもっとリアルタイムに反映できないものかね」
パリ、パリ。
「バレイショー艦長、桜の開花は熱と光のエネルギーが必要です。そのため、どうしても時差が発生します。改善の余地はあると思いますが…」
パリ、パリ。ゴク、ゴク。
バレイショー艦長はテーブルの上に置かれた袋に手を伸ばす。袋の中の物を取り出すと口に運んだ。
「それにしても、このポテトチップスというものは実に旨いな」
「同感です。あと、コーラもいけます。絶妙な喉越しです。この惑星の住人たちが羨ましいですね」
「そうだな。地表のサクラ色の変化を見ながら、ポテトチップスとコーラを嗜むことは、この上ない贅沢な時間の過ごし方だ」
「ごもっともです」
「ひとつ質問があるんだが…。ポテトチップスはどうやって作るのだろうか?」
「私も詳しく分からないです。向こうの南北に別れた大きな大陸を旅行したとき、お土産としてもらったんです。後で確認しておきます」
「コーク君、頼んだぞ」
パリ、パリ。ゴク、ゴク。
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