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ティヘレト姫のきまぐれ
「ティヘレト姫、何か御用ですか。」
「退屈だから呼んでみたのよ。ティール。あなたの愛する人のお話を聞かせてくれないかしら?」
「それは、出来ません。」
「どうして?教えてくれてもいいのにねえ。」
「・・・・。」
「黙りこんでも無駄よ。わたくしはそんなことをしてもよけいに聞きたくなるだけだから。」
「ティヘレト姫、お話する事は出来ません。あの女は私の心の中だけにあるものだからです。」
「そう、話せないなら。見ればいいだけのこと。ここにその女を連れてきて頂戴!」
「それは出来ません。前にも申しあげましたように、その女は、迎えには行ってもここには来ません。相手は、愛してはならないもの。俺が一人心を寄せているに過ぎない人です。呼んでもここには来ません。」
「そうだったわね。一つ条件を出しましょうか?」
「どのような条件でしょうか?」
「あなたの、家臣がその女を連れて来たら、あなたをここから出してあげることにするわ。もし、その女があなたの元に来なければ、ティール、あなたの命を奪う事にする。そうしたら、よくわかるでしょ?あなたが、その女に愛されているかどうか?愛していたら、あなたを死なせたくないもの、きっとここに来るハズよ。」
「俺は死んでもいいです。その変わり、ニフルヘイムとその民には手を出さないと誓って頂けないでしょうか?」
「わかったわ。誓ってもいいわよ。」
「うふふふ・・・。」
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