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ほんとなんなんだこいつ。常識人ぶった態度に、さすがの俺もキレる。
「遅刻ギリギリなのはお前も一緒だろうが! よくそんな偉そうに言えるな!」
「私が言ってるのは信号無視のことだけですぅー! それに、私はいつもこれくらいに家出てるから全然危なくないし! ……今日は宿題忘れて戻ったから、ちょっとヤバいけど……!」
「じゃあヤベえんじゃねえか! しかもいつもこんな時間かよ。お前、優等生キャラなら無駄に朝早く来といて予習とかしとけや」
「やだよ、そんな無意味なこと。先生来る前に教室にいればセーフなんだから。だったらギリギリまで家でテレビ見るほうがいいし」
「そこはキャラ通り生きとけよ……!」
真面目ぶった優等生キャラ一転、効率重視のズボラ人間の一面を見せられた。効率重視に生きるんなら、人に説教すんのもやめろよ。
ってか、なんか二人で登校してるみたいになってきた。歩けば遅刻するし、走ったら必死みたいでダセーし。山口は小走りで、後ろ髪がプラプラ左右に揺れていた。
「お前、遅刻したことあんの?」
「あるわけないでしょっ、そんな、だらしない――あー、ちょっとタイム……」
「だらしねーなおい」
息が上がって立ち止まったのをいいことに、そのまま早歩きで山口を突き放す。
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