その色彩は破滅を招くのか

1/20
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「今日のことは秘密にしてあげる」  あいつが言った言葉を思い出す。凍えるように寒いのに身体は熱くて、でも頭の芯は冷え切ってた、昨日の夜を。 「なあ、お前さ」 「なに?」 「最初からこのこと知ってたのかよ」  俺の質問に、そいつは笑みを浮かべた。 「知らなくても、同じだったよ」  陽の光の下で、なにもなかったみたいに、こいつは笑った。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!