男爵

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「先に聞こう。泰我紙貸せ!」 「あの黒いものは、やはりリアムの細胞の一部が出ました。靴の裏にでも魔法陣が書いてあったのだと思いますが、体を自由に変化できるような作りになっていたのだと思います。細胞と言ってもほんの僅かで見逃すくらいです」 「魔法陣が何か分かれば私がわかるんだが……服ごと逃げやがって!」 今度は服でも靴でも奪ってやると息巻いているが、「泰我、この赤い数字はなんだ?」 「その、母上か奏太さんの血だと思うんです。でも本当に僅かでどちらの血か分からないんです」 「混ぜ混ぜリアムか」 「ルーカスさん、その呼び方やめてよ……」 「仕方ない。奏太……くれ!」 「くれとか言わない!ユーリさんか、泰我やノア達のいる所じゃないと一滴でも渡さないからね!」 「ユニコーンの血がぁぁぁ」 「必要な分だけ!」 ガクッとしながらも、男爵の方の報告を聞かないとと無視をし、街はどうなっているのかと聞く。
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