男爵

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「市場は通常と変わりないそうですが、最近は風の地と氷の地の方から旅人が増えているそうで、宿屋が常に一杯かと思ったら、結構な人数なのに気付くと宿屋がすぐ空に。そしたらまた数日すると満員になるのが続いているようで、旅人にしては荷犬車がかなり大きいのが気になると言う事と、この地の特産の氷柱の欠片がかなり売れていて追いつかないそうです」 「氷柱って?」 「クリスタルって言ったらわかるか?」 「天然石みたいなやつ?」 「そうだ。たまに色の着いたものが出るがかなり少なくて希少なんだ。しかもクリスタルは表面の安いものでも日本円で3000円からピンキリだからな」 薬屋にもアメジストを持ってきた人も居たが、買取はかなり高額になると前に言ってたような。 しかも結月の目がキラキラしているので、発掘場所なんか言ってしまったら取りに行ってしまう。 「男爵、ぜーーーったい教えるなよ?結月が欲しがるから」 「では帰りに少しお分けしましょう。私の私物ならよろしいでしょう?ルーカス様」 「ほんとに少しだぞ?」
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