男爵

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「でも何に使うんだろ?」 「分からん。この間の施設には無かったしな」 「陛下方は山沿いは全て見られましたか?」 「見に行かせてこちらに転移してきたが?」 「では村には寄られてないのですか」 「何かあるのか?」 「村のものは家畜の牛の乳を街に売りに来るんですが、最近はその乳の味が薄くなったと。見に行かせたのですが、牛たちはかなり大きく沢山乳を出すのですが、かなり痩せているにもかかわらず、ずっと乳絞りさせられているとのことで、今も見張りを村近くに配置しています」 「永遠に出るものでは無いだろう?」 「人間界ですと、牛は妊娠をして子を産み、それを繰り返す事で乳が出ると書物に。各界の牛は一日に絞れる量は一頭でもそれほどは……数日かけて搾り、新鮮なうちに売りに来るのが通常です」 「保存とか……」 「ここは寒い地域ですから、樽で1週間から十日程。街で煮沸して売るのですが、おかしいことといえば牛の乳と旅人でしょうか?」 「ルーカス、この地はそんなに旅人が来るのか?」 「時期的には風から氷を抜けてくるものは今の時期は多い。吹雪が少ないから移住したがる奴らがここか、この先の街や町に行くことはあるが……団体様は流石にない」
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