男爵

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「ちょっと貸せ」とルーカスがミルクのコップを持ち、一口。 「アホですかあなたは!」 「まっず!と言いたいが、魔界の乳でもこんなに匂いはしない。それと何かを混ぜたものでは無いな」 「どういうこと?」 「毒が混ぜられていたなら、舌が痺れたりなにか分かるんだがそれが無い。それと、この牛乳が腐ってる訳でもない」 「じゃあ、なんでこんな匂いになったんだろう?」 「魔界ではホットミルクには人間界で言うところのブランデーが少し入ったりしますが、その匂いもしません」と飲みはしないがニコルも匂いを嗅いでいる。 「奏太さん、明日からの食事は毒味をつけた方がいいと思います」 「それじゃあ男爵に失礼だよ」 「そもそも王族には、毒見係りが居るのです。陛下がなんでも食べてしまうので見落としていました」 城では専属で付けるが、普段はお付達がある程度の安全を確認するのだという。 しかも、ユーリやニコル、ノアは毒の耐性もあると言うので、これからはノアに毒味をしてもらってからと言うので、それは丁寧に断る。
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