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「うるさーい!樽なんていらん!」
「陛下、分析の方終わってますよね?」
「粗方終わった。血の瓶は泰我が壊してしまったから、この細胞に混ぜた分しかないし、変なことに使えん。奏太もっとくれ!」
「その、牛乳調べてくれたら考えてもいいよ?」
そう言うと、ウキウキしながら樽をあけ「くっさ!」と閉めてしまう。
「腐ったもの持ってくんな!」
ミルクが運ばれてきたところから話すと、「これ、腐ってるというか、あー、あれだ、アレ!」
「アレが始まると長いんだよなぁ」
なんだったっけ?と部屋をウロウロ。
あれでもない、これでもないと言いながら樽の周りを回り始めた時に、「母上、傷口の……くさっ!」と泰我が入ってきて臭いと連発。
「泰我、なんの匂いが分かりますか?」
「母上で分からないものは僕には……」
「いいからもう一度匂いを」と無理やり匂いを嗅がすユーリ。
やはり夫婦は似ると言うが、不憫なのは用事で来ただけの泰我。
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