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「もしかしたら……」
「分かったことや気がついた事はなんでも言って下さい」とニコルが蓋を閉めてあげている。
「発酵では無いでしょうか?」
「発酵?」
「確かに牛の乳を発酵させたりしてヨーグルトなど作りますが、搾りたてで発酵……ですか?」
とまた蓋を開ける。
「あー、それそれ。ほら、ここに泡が立ってるだろ?」と当てたのは泰我なのにドヤ顔の結月。
「だが搾りたてでこんなことは起こらないし、この地は寒い。置いてある場所も冷蔵庫に近い冷えたところだろうし、搾りたてとは思えんな」とこちらを見てくるので、明日は街ではなく村に行くんだろうなと思っていると、「奏太、ノアとニコルとルーカスと……スフィとお、お、お?で行ってこい」
「母上、オリーです」と半ば諦め気味の泰我。
「今から?」
「様子を見てきたらいいだけだ。それにあの二匹なら大人二人位乗せられるだろう?」とついでに村人の目も見てこいと言われる。
一度言い出したら聞かないのはわかっていたので外套を羽織りスフィにノアと乗る。
「ごめんね、寝てたのに」
「構わんが、その乳とやらは我等ならもっと匂いでわかるかもしれぬ」
「遠くからでもわかる?」
「ある程度なら」
ポツポツとあかりが着いているところが見え、牛後夜の近くで降ろしてもらう。
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