229人が本棚に入れています
本棚に追加
「何やら……オリーよ、そなたも臭うか?」
「もちろん。ただ腐ったような臭いと、普通の匂いと混じっていて……小屋の右は臭い、左は静かだし普通の匂いとだけ」
「じゃあまずは普通の左に行くか」
小屋に近づくと牛たちは寝ていて、人間界と模様も形も違うが、まだ仔牛なのが数頭と普通の親であろう牛が分けられていて、ちゃんと清潔にしてあり、こちらに気づいてはいるがかなり大人しい。
「スフィ、話せる?」
「話すと言っても相手は牛。魔物でも話せるものと話せぬものがいるのは知っておるであろう?」
「分かってるけど、鳴き声とかでもわかんない?」
やってみようと何頭かの牛に近付き、時折唸り声にしか聞こえなかったが、スフィは「小屋、助けて、危ない」としか分からなかったという。
最初のコメントを投稿しよう!