男爵

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「動物同士が普通に話せたら楽なのにな」 「俺もそう思うけど、ルーカスさん達は……出来ないか」 「俺に動物の言葉が分かったら、魔獣でも味方に付けれるわ!」 「その例えがバカだとなぜ気付かないんですか!」 村人に気付かれても行けないからと、隣の小屋に行くと、鼻をつく変な匂いに目眩がする。 「ノア……」 ハンカチで鼻を塞ぎながら、「見てください」と牛の下の方を指を指す。 「なんだ?チューブ?」 「俺見た事ある。人間界で牛の乳を絞るのによく似たの付けてて。機械で絞るみたいだったけど、これは手作業かな?」 「いや、自動だろ」 よく見ると、ほんの少しずつチューブから乳が流れていて、出し切った牛は横に倒れている。 「それにしてもこんなに沢山の牛……」 「ルーカス様、牛の目が青に光ってます。それとこの倒れた牛、乳のところに石が……」とナイフで石を取っているのでもう息はしていなかったのだろう。 「ルーカス様、魔界の牛は先程とこちらと見た感じ変わらないように見えますが」 「天界の牛は人間界に近いだろ?魔界の牛は最初に見たのが本来の姿だが、ここの小屋にいる牛は目の色が違う。普通は黄色い色に縦に筋が入ってるんだが……それに、ほぼ瀕死だろこの牛共」 見た限り栄養が行き渡っていない。 肋が出ていて背骨も出ているし、足もかなり細い。 「ニコル、ノア。暴れはしないだろうから何頭か腹を確認。石があれば見るだけでいい。俺と奏太で採れたての乳を瓶に詰める。その後に村人の確認をして屋敷に戻るぞ」 「了解」 生ぬるい乳を瓶に詰めてポケットに入れ、ノアたちと合流してあかりのついている村人の家の窓からそっと覗く。
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