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「いつまで俺たちゃあんな奇妙な牛を増やさなければならねんだ?」
「そうは言っても金は沢山貰えるし、俺たちゃただ牛の乳を絞るだけじゃ」
「でもよぉ、なんか変な匂いしてきてないか?あんな牛がすぐ子供産むしよぉ、俺はもうこええよ」
「そうは言うてもなぁ、増えてしもうたものはなんともならんし、乳さえ出し切れば死んでしまうし。死んだ牛も引き取ってくれるし、それに街では売れる。一石二鳥じゃし、小屋も新しくして貰える。寒さに困らぬように」
頭を抱えて嫌がっているのが息子で、この地で暮らしていくために、いい条件だと言っているのは父親なのだろう。
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