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スっと窓から離れたルーカスが「入る」といきなり扉を開けると、やはり顔は知っているのか、いきなりひれ伏す親子。
「直答を許す。お前たち、誰に雇われている?」
「お、俺たちだけじゃなくて村が雇われてます」
「小屋に一番近い家がここだ。見張りか?」
「いえ、この小屋は交代用の小屋で、時間ごとに牛の乳の樽の取替を……何かあったのでございますか?」
「何かだと?ここに居る天界の王子がここの乳で死ぬかもしれなかったんだぞ!」と嘘までついてしまうが、ルーカスには何か考えがあるのだろうか?とニコルを見ると、横に頭を振っているので多分適当に言っているだけなのだろう。
「そ、そんな……」
「もしも飲んでいて、少しでも体調を崩していたら、魔界では斬首だ。村ごと。それは知っているな?」
「ご、ご勘弁を!」
「ルーカス様、その辺で」とニコルの助けが入るが、既に親子は震え上がっている。
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