男爵

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「さてと。せっかく来たんだ。手分けして各家とその周辺……漁れ!」 言い方がちょっとアレだが、何か証拠とかになるようなものを探せというのだけはわかる。 ちゃんと言えばいいのに! 勝手に家の中を探すのは気が引けるが、台所の引き出しや棚、タンスやベッドの下まで隅々と見ていき、にも見つからず次の家と見ていく。 「ふうつの家なんだけどなぁ」 子供部屋であろう部屋を見ていると、どこにでもありそうなおもちゃ箱の中にいくつかの人形。 その目に使われているのは丸い形ではあるが、欠片に良く似ていたので袋の中に入れ、他の部屋にも鏡などに一欠片同じような欠片がついていたりしたので、見逃したのかもとほかの家に戻って見ていくと、やはり日用品などよく使うものなどに着いているのを見つける。 「結月さん!キリがないよ日用品ばっかりについてるから、持ち運ぶの大変だって」 「どれだ?」 細かいものは袋に入れていたので、手鏡や人形などは見せたが、家の中で見つけたものを見せると、「取り外すしかないな」という。 「常に目に入る場所に嵌め込んである。なにか仕掛けがあるんだろうが、取り外して集めるしかない。村のものも帰ってくるから全部燃やす訳にもいかんしな」 そっちのが早いと言いながら渡してきたのはアイスピックに似た道具。 「マジ?」 「マジ!みんなにも念話を送るが、家自体に魔法陣などは無いみたいだ。軽く見ただけだが。その欠片はなんでも使えるみたいだな」 「でもこれ、魔物に埋まってたのとちょっと違う感じがするよ?魔物の方のが光ってて分かりやすかったけど、こっちは濁ってるというか」 「後で比べてみる。こんな暗くてはあまり……」と手に乗せてはいるが、量も多いので手分けして見分けていくしかないのかもしれない。 全て調べ終わり転移で宿に戻ると、心配したクレアが起きて待っていてくれた。
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