男爵

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「さてと、あと二日この宿にいる事にする。泰我と私は欠片を分析してみる。ルーカスと奏太とノアは城に行ってくれ。ニコルはお、お、お?と村に行ってもう一度話を聞いてきてくれ」 みんな休めよーと言われたが、村に行って結構時間が経っていたので、今寝ても3時間くらいかなと横にはなるが、ウトウトとして起きると繰り返し朝になってしまった。 朝食は人間界で言うところの喫茶店のようで、受付で頼むと席まで持ってきてくれたので、のんびりと食べていると、珍しく眠そうなノアが「おはようございます」と席に着く。 「寝れなかった?」 「さすがに起きれる自信がありませんでした。それに、ムーさんが部屋に来ていたのですが、陛下に邪魔だと追い出されたと拗ねてまして」 「分析始めちゃったんだろうね。それに、ムーだけつれていかなかったし」 「今日はクレアさんの部屋で見張りをすると言ってましたが」 「みんな居なくなるし、話し相手になれるから良いかも。わがまま言わないといいんだけど」 「スフィさんは……」 「うん、なにか気になるらしくて外に居たいって言うから。まだ帰ってきてないけど」 食べながら話していると、「よく食えるな」とさらに眠そうなルーカス。 「俺コーヒーだけで」と係の人に頼んだあと、「ニコルが来たら出発。今、クレアの包帯の取り換えしてるから」 「良くなってきてる?」 「俺も見たが、まだ痛々しいな。結月の薬だから早く良くはなると思うんだが、まだ腫れてる。ま、泰我が旦那になるなら傷があってもなくても気にしないだろうが」 「え?旦那?」 「成人したらするんじゃないか?」 「王子って成人したら結婚してもいいの?」 みんなが見た目的に晩婚とは思わないが、ずっと何百年も独身だったので、100年も経ってないのに結婚という言葉に驚く。
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