男爵

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「俺無理だからね?」 拷問とか絶対やめてくれと言っていると、「まず、陛下に渡された薬を飲ませます。その後目の色が戻ったら村に帰れるそうですが、もし効かなかったら血液の採取と道具を貰ってきてます」 「聞くのは、どんな人に言われて、いつ頃現れるのかとかだよね?」 「ええ。村人は分からないでしょうが、村長なら……。それと衣服はもう取り換えてあるそうです」 また服に細工されてなければ良いのだが、魔王様が燃やしてなければ良いのだが。 結月は軽く術に掛かっているのなら薬で意識ははっきりするとニコルに伝えたみたいだが、目の色に欠片に牛に分からないことだらけだ。 「そうだ!街の外の兵は?」 「あいつらは探索を頼んでる。次の町までだが。それと男爵の屋敷周りにも配置してある」 「なんで?いい人だったのに」 「出入りするものの見張りだ」 「なんか、準備がいいと言うかなんというか」 「指示は全部結月だぞ?珍しく働いてるって自慢しながら言ってたから、終わったあとは我儘言いたい放題だろうな」 それが一番嫌だと思いながら、地下の牢に行くのに階段を降りる。
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