男爵

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「戻ってたんだ」 「少し前に。それより……これですか?」 「うん、間違いないと思う。顧客リストとか見れないかな?ペンダントにして売ったって言うから」 「分かりました。ペンダントは回収に行くとして、店主」 「これはこれはニコル様」と絶対売れると思ったのか顔が満面の笑み。 「これは持ち込まれたもので経費は掛かってませんよね?」 「台座だけ作りまして、この台座も良い木で作りまして……」 「台座はいくらです?」 「台座は三万魔通貨で作りましたが」 「では、これを」と三万魔通貨をポンと払う。 「この水晶は今、幻界の女王様とご子息の王子が調べられております。城へ献上してください」 「え?えっ?」 「元々タダ、台座は支払い済み。こちらは天界の王子と王子付きで同等の権限をお持ちのノア様。もし献上できないのであれば、ルーカス様も呼びますが……」 「呼んだか?」 気配だけはわかっていたが、面白くて隠れていたのはバレバレ。 ルーカスが出てきた時の店主はもう青ざめ、箱に入れますと箱を取りに奥に消えてしまった。 「デカイなこれ」 「重そうだよね」 「ルーカス様、台座代は三万魔通貨でした」と手を出すニコル。 ほらよ!とお金を渡しているが、ルーカスも紫ならよく見かけるんだが、疑わなかったのかあの店主と台座を回して水晶を見ている。
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