6.巻き戻りのオメガ

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「颯さんが俺の恋人かぁ……ごめんなさい、ちょっと、俺、涙が……」  諒大が手で涙を拭っている。  逃げたり勘違いしたり、こんな面倒くさい颯を、諒大は泣くほど喜んで受け入れてくれるみたいだ。  そのことが嬉しくて、颯が諒大に抱きつくと、諒大はすぐに抱きしめる手に力を入れて、それに応えてくれる。 「あー! どうしよう、俺、幸せすぎます。ずっとこうしたかった。颯さんと抱き合いたかった……」  諒大に苦しくなるくらいにぎゅうぎゅう抱きしめられるが、嫌じゃない。  少し苦しいけど、諒大にキツく抱きしめてもらえることがとても嬉しい。諒大をすぐそばに感じる。生きてるって感じがする。 「颯さん。俺、全力であなたを幸せにします。今度こそあなたを失いたくない……ずっと一緒に生きていきたい」  颯が諒大を見上げると、諒大と目があった。颯の大好きな優しい眼差しで、諒大が見つめている。 「僕も。僕も諒大さんのこと幸せにできるよう頑張ります。だから、そばにいさせて……」  視線が絡み合うと、どちらともなく惹かれ合い、キスが始まった。  最初は軽いキスを交わしていたのに、次第に濃厚なキスへと変わっていく。 「んっ……んぅ……」  止められない。唇を離したくない。諒大の首に両腕を回して、諒大を引き寄せるようにして激しいキスを交わす。 「はぁっ……颯さんっ……」 「諒大さ……んっ……」  吐息混じりに名前を呼び合って、何度もキスを繰り返す。 「んっ……ふ…ぅ……」  諒大とのキスに頭がじんとする。敏感な口内を諒大の熱い舌で犯されて、気持ちがよすぎて全身から力が抜けていく。よろめく身体は諒大が腰を抱き、支えてくれる。 「颯さん、苦しい……? こんな狭いところですみません……」  諒大が颯を気遣い、唇を離す。キスがうまくない颯は、どうしてもキスの途中で息つぎがうまくできない。 「だ、大丈夫、苦しくないからやめないで……」  唇が離れた途端、急に寂しくなった。諒大ともっと繋がっていたい。 「お願い……」  颯は懇願する。やっと諒大とお互いの気持ちを交わせたのだから、もっとしてほしい。もっと、もっと、諒大とこの先まで——。 「颯さんにそんな顔で見つめられたら、俺、我慢できませんよ」  再び諒大からキスを受ける。深いキスをされながら、諒大の手が颯の服の隙間から侵入してくる。諒大の熱い手は、服をめくりあげながら颯の肌を艶めかしく這う。 「颯さん、すみません。俺は颯さんと離れられません。このままうちに泊まりに来ませんか?」  颯は頷く。颯も離れがたいと思っていたが、諒大も同じことを思ってくれていたようだ。 「諒大さんと一緒がいいです……好き。好きです。大好き……」  諒大とこうしていられるなんて奇跡だ。  今度こそ諒大に愛を伝えたい。何があっても離れないようにしたい。諒大のことを一生大切にする。  何度巻き戻っても、諒大のことを想う。最高の運命の番を離さない。
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