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29.見附(天竜川ノ図)
見附宿は本陣2軒、脇本陣1軒、旅籠56軒、現在の静岡県磐田市(いわたし)見附にあった宿場町でした。
すぐそばには『あばれ竜』の異名を持つ天竜川。年2回春と秋に幕府直轄で補修工事をしてはいましたが、範囲も広く治水工事もままなりませんでした。
川留めともなると川に近い宿場町の宿命といいますか恩恵といいますか、泊まり客でごった返す騒ぎだったようです。
見附宿の名物の中から、美味しそうな五文取り(ごもんとり)と粟餅の餅菓子二つをご紹介します。
『五文取り』
その名の通り一つ五文(60円)で売られていた大きな餡餅でした。
「見付五文取袋井入れて首に掛川御江戸まで」
このあたりの宿場町の名前をうまく取り入れたこんな狂歌にも謳われています。各地で五文の饅頭や餅が売られていますが、江戸まで持ちそうだと言わせるほどの大きさが評判だったことが伺えます。
これとは別に維新前には源五饅頭という一つ三文の大饅頭もあり、五つ食べれば偉いと言われ六つ食べたら死んでしまったという話も残っています。
『粟餅』
見附産の粟を引き粟粉にしたものを搗いた餅をこし餡でくるんだもので、見付天神裸祭の時期に無病息災、五穀豊穣の願いを込め作られていました。
今でもその風習は受け継がれ市内の和菓子屋さんでは祭りの期間に合わせて粟餅を売り出されるそうです。季節を祭りと食べ物で知る、なんとも風情を感じます。
(現在はお土産用に季節問わず購入できるお店もあるようです)
一文字ぼかしは濃紺、対岸の浜松は川霧に包まれています。
朝霧の季節は9月から3月にかけて、時間は夜明けごろから午前9時くらいまで発生することが多いようです。寒い季節の晴れた朝の風景でしょうか。
【池田の渡し】【遠く遠く】【音の無い世界】【何話してるのかな】を見ていこうと思います。
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