16人が本棚に入れています
本棚に追加
30.濱松(冬枯之図)
浜松宿は東海道でも指折りの大きな宿場町でした。
関ヶ原の戦いまでの30年間、徳川家康が居城し治めていた土地、浜松。
江戸幕府開闢後も重要地点と位置づけられ、城主には譜代大名が据えていました。
そんなわけで参勤交代の大名たちもこの地ばかりは素通りするわけにはいきません。その為浜松宿には本陣が6つも常設されていました。
家臣達の滞在を引き受けるための旅籠も充実、それに加え一般の旅人も勿論宿泊しますので最盛期には旅籠の数が94軒にもなりました。
遠近道印//作,菱河吉兵衛<菱川師宣> //画『東海道分間絵図』第3帖,板木屋七郎兵衛,元禄3(1690)序刊. 国立国会図書館デジタルコレクション 加工済み
↑宿場町内にこれでもかのように旅籠が並んでいます。
浜松宿を描く時に広重が主題に選んたのは、ランドマークの浜松城でも賑わう城下町風景でもなく、上の図の通り、刈り取りの終わった田の前で焚火で暖を取る人足たちと、街道を行く旅人、土地の人がすれ違う場面でした。
〜浜松の名物〜
徳川家康もよく食べたと言われる『浜納豆』。
大豆を蒸して麹菌をまぶして発酵させ、塩水に入れて熟成、その後天日干しをして完成。糸を引かない納豆です。
食べたことがないのですが、味噌のような味で鼻の奥でうっすらと糸引く方の納豆の香りも感じるとか。
調味料としても使われカレーの隠し味にもなるようです。気になります。
一文字ぼかしは濃紺、遠く地平線の上も青空が広がっています。冬のお天気の良い日中のようです。浜松の冬は、風が強く晴れの日が多いのが特徴だそうです。一番寒い時でも最低気温0℃を下回る事がそうそうないそうですが、冬の強風は身を切るような冷たさなのではないでしょうか。
真っすぐ昇る煙から今は風が吹かない穏やかな時間だとわかります。
【十字】【位置移動?】【松を挟んで】【浜松の三英傑】を見ていこうと思います。
最初のコメントを投稿しよう!