16人が本棚に入れています
本棚に追加
27.掛川(秋葉山遠望)
広重『東海道五拾三次 掛川・〔秋葉山遠望〕』,保永堂. 国立国会図書館デジタルコレクション
枠を突き抜けて高く舞い上がる凧が印象的です。
ここ掛川は『遠州凧』と呼ばれる一風変わった形の凧を揚げる事で有名な場所でした。
橋向こうから歩いてくる僧侶に深く首を垂れている親子連れ、その後ろを踊るように歩いている子供は凧に夢中のようです。着ている着物は藤枝で話題となった有松絞りでしょうか。
掛川宿は本陣2軒、脇本陣は無く旅籠30軒、掛川城の城下町として栄えた宿場町でした。
室町時代に今川氏により築城された掛川城は、戦国時代になると遠江の重要拠点として数々の思惑や争いで領主を変えています。今川から徳川へ、そして豊臣政権下には後に初代土佐藩主となる山内一豊が城主となっています。
江戸時代にも重要拠点として譜代大名が城主となり、後期は太田道灌の子孫が七代に渡って治め最後の城主は太田資美(おおた すけよし)でした。
副題は【秋葉山遠望】右手にある山が秋葉山です。
火伏の神様として信仰され、全国各地から多くの参拝者で賑わっていました。
参拝者が作った道は秋葉街道となり交通の要所でもありました。
一文字ぼかしは濃紺、凧揚げ日和の良く晴れた日のようです。
当時は凧揚げが行われたのは旧暦5月の端午の節句ごろ。田んぼでは田植えの真っ最中。二十四節気『芒種』旧暦の4月末から5月上旬(現在の5月から6月)だとわかります。
【秋葉大権現】【突き抜けてる】【遠州凧】を見ていきたいと思います。
【芭蕉じゃないんだ!】もあります。
最初のコメントを投稿しよう!