発症

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「今日は、1ヶ月後に迫った文化祭の出し物を決めたいと思う。文化祭実行委員、前に出て来てくれ」 伊賀崎先生に言われて、このクラスの文化祭実行委員である生徒男女2人がみんなの前に出た。 「えっと……文化祭の出し物を決めたいと思います。みんな、何かやりたい事とかありますか?」 普段は大人しい女子生徒が、みんなに呼び掛けた。 凄いなぁ。みんなに向かってちゃんと話す事が出来るなんて。 私には実行委員なんて、絶対無理だよ。 「お化け屋敷とかは?」 「ガキくさくね?」 「じゃあ、喫茶店とかは? アニメのコスプレしたりとかして」 「みんなバラバラだと統一性ないし、テーマ決めた方が良くね?」 「じゃあ、今流行りのアニメとか?」 「それだと意外性がないっつーか、せっかくなら他のとこでもやってなさそうな事したいよな」 凄い。みんなどんどん意見を出し合っている。 文化祭は凄く楽しみだけど、何をしたいかって聞かれると私はパッと出てこないのに。 「ねぇ、意外性はないかもだけど私良いこと思い付いちゃった」 ひよりちゃんがまっすぐに手を挙げながら言った。 そういえば、ひよりちゃんってクラスの中でも凄くしっかりしていてみんなを引っ張る存在なんだ。 男女問わず人気があって、クラスの委員長だし。 困った時は、みんなひよりちゃんに相談している気がする。
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