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1学期の修了式の日がやって来た。
教室でみんなが夏休みの予定を立てる中、私は何処か他人事のような気持ちで聞いていた。
「入院って、美桜ちゃん何処か悪いの?」
騒がしい教室の中、私が入院する事を告げると夕夏ちゃんが聞いて来た。
まぁ、そりゃ驚くよね。
「別に大した事じゃないんだ。なんか自立神経のバランスが乱れているとかで、夏休みの間に入院して合併症を引き起こさない為に早く整えるんだって」
詳しい病気の事は言えないから、こうやって誤魔化すしかなかった。
だけど、病気が進行すれば誤魔化せなくなるからいつか本当の事言わなきゃいけないっていう事も分かってる。
でも、余計な心配も掛けたくない。
「そっか。私、お見舞い行くね!」
「うん、ありがとう!」
文化祭の買い出しに行った日から仲良くなった夕夏ちゃん。
最初は凄く大人しい子だって思っていたけど、芯が通っていてほんわかしているようでしっかりしている。そして凄く優しい。
夕夏ちゃんと友達になれて良かったな。
「……美桜。桐川くんには言わなくて良いの?」
「え?」
突然のひよりちゃんの言葉に、思わず戸惑いを露わにしてしまった。
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