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まさか、奏の事を言われると思っていなかった。
でも、今までずっと一緒にいたから私達の事を見ていたひよりちゃんなら、今の私達を見て驚いて当然だよね。
「い、良いの! 今までが仲良すぎたんだよ! 私達は単なる幼馴染みでさ、それ以上でもそれ以下でもないし、高校生にもなればこれが普通なの! だから、奏になんて言わなくて良いの!」
本当はお見舞いに来て欲しい。
人生で初めての入院だし、凄く心細いから。
でも、決めたんだ。
もう奏への想いは捨てるって。
今までの私とは違う。もう、戻れないから。
だから、あの奏に告白した日から私は変わらなきゃいけないんだって、そう決めたんだ。
「何があったか知らないけどさ、私はあんたと桐川くんお似合いだって思っていたよ。きつい事言うけど、正直今の美桜見てられない。前の美桜は桐川くんといると凄く楽しそうで、見ているこっちも楽しくなっていた。でも、今の美桜はなんかから元気って言うか、無理に明るくしようとしている。そんな美桜、見たくない」
そういって、ひよりちゃんは自分の席へと戻った。
戸惑っておろおろしている夕夏ちゃんに、私は何も言えずただじっとひよりちゃんを見るしかなかった。
分かっている。
分かっているよ、そんな事。
でもしょうがないじゃない。
病気になった私が、恋をする事なんて出来ないんだから。
奏に迷惑掛けたくないもん。
重い病気の私が、奏の事を好きでいたら絶対迷惑だよ。
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