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ひよりちゃんに言われた事を引きずりながら、私は帰宅した。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
リビングに行くと、隣の居間でお母さんが入院の準備をしてくれていた。
「ありがとう、お母さん。ごめんね、やらせちゃって」
「良いのよ、これくらい」
「……お母さん」
私は思わず、お母さんに抱き着いた。
初めての入院。お母さんが傍にいてくれるとは言え、不安は大きかった。
でも気になっている事はもう1つ。
「どうしたの? 寂しくなった?」
優しく私の頭を撫でてくれるお母さんに、泣きそうになる。
「今日ね、ひよりちゃんに言われたの。今の美桜はから元気でなんか見ているのが嫌だって。でもね、私みんなに心配かけないようにって迷惑かけないようにって、今まで通り明るくいようって思ったの。病気の事受け入れてちゃんと生きていこうって。でも……でもね寝る時怖くなるの。明日体の何処かが動かなくなっていたらどうしようって。今より悪くなっていたらどうしようって考えて、怖くなっちゃうの」
病気の宣告をされてから、何度も何度も自分の事なんだからちゃんと受け入れなきゃいけないんだって自分に言い聞かせた。
だけど、今まで出来ていた事がどんどん出来なくなっていく事が、みんなに迷惑をかけるのがどうしようもなく怖かった。
病気の事も入院の事も、怖くて怖くてどうすれば良いのか分からない。
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