泡恋ー難病と闘った少女ー

発症

メイド服と飾り付けに使う小物類を買って、私達はお店を出た。

調理器具とかは予算が足りないから、みんなで家の物を持ち寄る事になった。

だけど、この荷物……。

とても実行委員の２人だけじゃ、運べる量じゃないよね。
嫌だったけど、私達が来て正解だったかも。

「あの、一ノ瀬さん。ごめんね、買い物付き合わせちゃって。片ヶ瀬さんと桐川くんにもちゃんと謝るつもりなんだけど……」

駅前のショッピングモールを出た時、突然実行委員の女の子が話しかけてきた。

ビックリしたけど、優しい子だなぁって思った。
普通、こんな事謝らないよ。

「全然！　あのお店大好きだし、それにこんな多い荷物２人じゃ運べないでしょ？　買い物、楽しかったし来て良かったって思っているよ！」

それは嘘じゃなくて本当の話。
何度かひよりちゃんと行ったあのお店は、何度行っても楽しいもんだ。
それにあのお店は行く度に売り物が変わるから、飽きないんだよね。