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奏を追いかけて渡ろうと足を踏み出そうとした時、何故か……
足が動かなかった。
「美桜? どうした?」
動かずボーッと立っていた私に奏が駆け寄って来て、それで私も我に返る。
「な、何でもない! あ、信号変わっちゃったね」
気のせい。
きっと気のせいだ。
足が上手く動かないなんてよくある事だよ。
そうやって自分に言い聞かせてみたけど、やっぱり一度覚えた違和感が消える事はなかった。
そんな私を、奏は不安そうな目で見つめている事に私は気付いていなかった。
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