違和感

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家に帰る頃には、もうすっかり日が暮れていた。 「ただいまー!」 家の裏口から入ると、お母さんがもう夕飯の準備をしていた。 「遅かったわね、どこ行っていたの?」 「ごめんね、文化祭の買い出しに行っていたの。本当は実行委員の子達だけで行くはずだったんだけど買う物が多いからって私と奏とひよりちゃんも行く事になったんだ。連絡するの忘れていて……」 「そういえば、来月だったわね。文化祭。何をするとかはご飯の時に聞かせて。先に手洗って来なさい。それでお店にいるお父さんに顔見せてあげて。心配して今にも警察に捜索願だしそうな勢いなんだから」 「わ、分かった……」 捜索願って、相変わらずお父さんは心配性なんだから。
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