発症

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準備を終えて、ニヤニヤしているお母さんに見送ってもらいながら家を出た。 もう、お母さんってば。 隙あらば私をからかうんだから。 「お前、準備するの遅すぎ」 ……そうなのです。 私が支度するのに時間かかっちゃって、もう遅刻寸前なのです。 でも、仕方ないじゃない。 例え、学校に行くだけとは言え奏の前ではオシャレしていたいんだもん。 制服をオシャレに着こなしている人とか、校則の範囲内で髪型を色々アレンジしている人とか見ていると、良いなって思う。 私もあんな風になれたらなって。 だから私も毎朝一番可愛い髪型を研究している。 結局辿り着けなくて、いつものポニーテールになっちゃうんだけどね。 「女の子は準備に時間がかかるの!」 「だったら、もっと早く起きろよ。いつもいつも俺が来てから起きやがって」 「うう……」 言い返せない。 確かに朝弱いのはどうにかしなきゃって思うけど……。
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