五月雨

2/13
前へ
/111ページ
次へ
彼は優しいから、泣いている生徒がいたら誰にだってハンカチを差し出すのだろう。 自分だけが特別なわけじゃない。 そうわかっているのに、あの日頭を撫でた大きな手を何度も何度も思い出す。 自分だけに向けられた優しさだったらいいのに。 そんなことを、願ってしまう。 ****
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加