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「なんか……ふたりって仲いいんだね」
思わずこぼれたひと言に、櫻井先生は嫌そうに顔を歪め、成田先生はにっこりと笑う。
「そうなの。俺と一至は高校も大学も一緒で、そのあと一回別の学校に赴任したんだけどこの学校でまた再会したんだよねー」
「えっ、運命だ!」
「やめろ気色悪い!」
そうだったんだ、どうりで仲が良いわけだ。
感心していると、櫻井先生は「とにかく」と話をまとめる。
「成田は自分の生徒にちゃんと指導すること。日野はボールぶつけた罰として放課後居残り」
「えー、それ19時には終わる?私夜バイトあるんだけど」
「お前の頑張り次第だな」
先生たちの前という手前、不満げに言うけれど、櫻井先生と居残りだなんてうれしい。
つい緩んでしまいそうになる口元にキュッと力をこめて堪えた。
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