逆光

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「そういえば夏休み入ったらすぐだね、キャンプ合宿」 瞳が言うキャンプ合宿というのは、うちの学校独自の行事だ。 3年生は夏、2年生は秋、1年生は冬に一泊二日でキャンプをする。 全員強制ではなく希望者のみの参加で、バーベキューをしたり外でバレーボールをしたり、夜には肝試しをしたり……思い出作りといった感じだ。 もちろん私たち3人も参加で申請を出している。 先生もついてくるけれど、学年行事だから引率は東先生と他のクラスの先生だし。 このまま櫻井先生と顔を合わせず夏休みに入りそうだ。 「今年の引率、櫻井と成田になったんでしょ?」 「え!?なんで!?」 ところが、さるるんのその言葉に思わず大きな声が出た。 「東も他のクラスの先生も、部活の大会の都合で行けなくなっちゃったんだって。で、ちょうどタイミングが合ったふたりがくることになったって」 「あー、他のクラスの女子たちが騒いでたね。イケメン先生ふたりとキャンプ、って」 そ、そんな……。 今からでも参加をやめようか思ってしまう。 それくらい気まずい。 「よっし、できた!見て見て!」 さるるんの声に顔を上げると、目の前の手鏡にうつる私の髪型は先ほどまでのぼさぼさ頭とはうってかわっていた。 毛先を巻き、耳の上から後頭部にかけて編み込み、ハーフアップにしている大人っぽい髪型だ。 「わ……かわいい」 「なにがあったかわからないけどさ、落ち込んだときこそかわいい格好してテンション上げてこ!」 「さるるん……」   
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