逆光

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「おーい、学年集会やるから3年は体育館集合」 話していると教室のドアから、櫻井先生が顔をのぞかせた。 「あっ、ねぇねぇ櫻井ー!見て見て、あかりの髪型かわいくない!?私の力作!」 「ちょっ、さるるん……」 さるるん、今はやめて!櫻井先生呼ばないで! 気まずい、けどくわしくは言えない。 もどかしい気持ちでいると、櫻井先生はさるるんの声にこちらを見た。 あの日以来、一週間以上ぶりに目が合う。 気まずい、だけど目が離せず硬直していると、先生は驚いたように目を見開いた。 「……早くしろ、東先生たちが待ってる」 かと思えばすぐ目を逸らし、そっけなく廊下へ戻って行ってしまった。 「なんなの、あれ。つまんなーい」 「いやいや、あそこで櫻井が乗ってくれたほうがびっくりだって」 「それもそっか!」 ……今の反応、なんか違和感。 気まずいとかじゃなく、驚いてた。 私見て驚くって、なんで? 不思議に思いながら、私たちも体育館へ行こうと廊下に出た。 クラスのみんなでぞろぞろと廊下を歩いていると、階段の手前には成田先生が歩いていた。 「おっ、3年生今から学年集会ー?」 「あ、成田〜!キャンプくるんでしょー?よろしくー」 「おうよろしくー」 相変わらず誰にでも気楽に話すさるるんに、成田先生も軽く返す。 そしてなにげなく私のほうへ目を向けた……と思うと、成田先生も私を見て驚いたように足を止めた。   
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