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「……代わりでも、いい」
私がつぶやいたひと言に、その目は一瞬驚いたように見開かれた。
「葉月さんの代わりでもいいよ。
似てるって、そう思われながらでも、そばにいたい」
彼女の面影を重ねてかまわない。
その目が私を見なくてもいいから、触れて撫でて、そばにいてほしい。想いを聞いてほしい。
「それくらい、好きなんだよ」
絞り出した言葉に、先生は黙ったまま一歩ずつこちらへ近づいた。
少しずつ迫る距離に緊張で身を固めると、次の瞬間私の腕を引っぱった。
「きゃっ……」
勢いのまま私の体を乱暴に机に叩きつけると、足を開かせ先生は上から覆い被さる。
感情の見えない真っ黒な瞳は、私の顔を見ているけれど『私』を見ていないのがわかる。
「せ……先、生?」
「"葉月"」
私の名前ではなく彼女の名を口にして、先生は顔を首元にうずめる。
「やっ……先生、待って」
その薄い口が、首筋をなぞるように這う。
初めての感触に、全身がゾクっと震えた。
なんで、突然。
その思いから抵抗しようとするけれど、私の両手をまとめて押さえる彼の左手はびくともしない。
男の人の力がこんなに強いなんて、知らない。
体の下でもがく私を気に留めることなく、先生は開いている右手でリボンを外しブラウスのボタンを開けていく。
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