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「そこの仲良し3人組、肉食べてるー?」
するとそこへ、成田先生がカメラを手にやってきた。
白いTシャツに赤いジャージと、見慣れた格好でカメラを構える先生に、さるるんと瞳は私をはさんでピースする。
私はちょうど肉を口に入れたタイミングで、変な顔のところでシャッターをきられてしまった。
「あっ!成田先生もっといいタイミングで撮ってよ!」
「あはは、いいじゃない。日野ちゃんリスみたいでかわいいよー」
「もー!」
笑いながら隣の班へ移動する成田先生に、私は声を上げる。
それを見て瞳たちはおかしそうに笑った。
「よかった、あかり元気そうで」
「え?」
どういう意味?と首を傾げると、瞳は紙コップを手に言う。
「なんか夏休み前から元気なさそうだったから。ね、猿田」
「うんうん。なんかショボーンとしてしおれてたよね」
「そう……だったかな」
隠していたつもりだったけど、バレてたみたいだ。
だけど悩みの理由は正直には言えず、とぼけて濁すしかできない。
そんな私の反応からなにかあると察したようで、瞳は私の肩を組んだ。
「言えないなら言えないでいいけど、本当に抱えきれなくなったらちゃんと言ってよね。
私はもちろん猿田ですら、話聞くくらいはできるんだから」
「って瞳待って!私ですらってなに!」
瞳の言葉にさるるんはすかさず突っ込むと、「けどまぁ」と気を取りなおす。
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