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四
ここでは、桜とまではいかないが紫色をした綺麗な花が立派に咲き誇っている。散ってはいるが高貴な絨毯のように地面に広がり特別な空間を演出している。その下でフランセリア国王陛下と一緒にお花見をする事にした。
「美しい花だ、戦いに出るとこう花を愛でる機会などなかったものだな」
国王陛下は頭上の紫の花を眺めながら仰られた。
「男性は戦わねばなりませんから、国王陛下、お酒とお食事をお持ち致します」
会津先生は国王陛下の盃にお酌する。
「ありがとう。戦いから離れて美しい物を眺めるのも、良いものだな。気分が安らぐ」
「有り難う御座います国王陛下、これが日本の文化お花見で御座います。日本では桜という木の下でやるので御座いますが、フランセリアではフランセリアの花で行う事と致しました」
「構わぬ。戦いや城内でのいざこざから離れた空間、良いものだな、お花見の提案をしてくれた事に国を代表して礼を述べよう。有り難う御座います」
「こちらこそ、お花見にお供出来て光栄です、国王陛下!」
了
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