マンスリー定例会

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-え~、今年も暮れとなり、マンスリー定例会を開催する時期と相成りました- と、いつものように「10月」が、もったいぶって言う。 「1月」から「12月」まで、12の擬人化したものが一堂に会し、一年を振り返って、侃侃諤諤(かんかんがくがく)討論をする、と言う趣旨の会がどのような経緯で始められたのか、未だに謎ではある。 しかし、仮に欠席してしまったら最後「あいつ何様のつもりだ」「どーせ何の予定も無いくせに、忙しいふりして」などとボロクソに言われてしまう為、皆、何とか都合をつけて参加しているのだった。 -皆様、こんにちは。 「1月」です。1月は何と申しましても「正月」です。特に、日本におきましては、お雑煮、おせち、お屠蘇と心浮き立つようなもてなしが目白押し。後は「成人式」ですか…他のマイナーな月には申し訳ないのですが、イベントが盛り沢山。 ちょっと自慢話っぽくなりましたかね。これでも大分押さえたのですが… それでは2月さんにお繋ぎします- -「2月」です。 2月は、そう、バレンタインです。これっきゃないんです、逆に。それでも昭和の頃は、モロゾフ、メリー位で事足りた。しかし、皆様、現在はどうです? ピエール.マルコリーニ、 ゴディバ、 ジャン.ポール.エヴァンと黒船来襲とも見まがう事態になっております。チョコレートと言ったら、ガーナでいい!個人的にはそう考えてます- -「3月」です。 3月はねぇ。春先とか、卒業とか、送別会とか、重要事項は結構あるんですがね。 意外とその実情はどろどろしてまして。例えば卒業して志望校に入れた者がいる一方、落ちて「何であいつだけ!畜生」と、悔しさにのたうち回っている者もいる。決してハッピー100%という訳ではないのですよ-. それでは「4月」さん、どうぞ。 進行役の10月に(うなが)された「4月」は、おずおずと席を立つ。 -4月ってさぁ。地味なんだよね。 入学式のイメージが、あるからか少々肩に力が入っている…と言うかさ- 他の月に比べ、誇れる物が無いとされる「7月」が言う。 -ちょっと、それ、言い過ぎじゃない?「5月」さんみたいに世界に名だたるGWがあるとかならまだしも、たいしてメジャーでもない「7月」さんが言うと、どの口が言ってんだ?に聞こえるよ- と、6月が4月のフォローに回る。 -あの、4月には、エイプリルフールが あります。1年に一度、堂々と嘘をつける。素晴らしい風習が… こんなこと言っては申し訳ないのですが、他の月では、嘘をついても許されるなんて無いでしょう?- 「4月」が勝ち誇ったように言うと、火の手が上がるように各月から批判的な意見が噴出する。 -あのさぁ、そのエイプリルフールって、もう禁止にしてほしいんだよね。と言うのも、その嘘を鵜呑みにして、本当に地獄に突き落とされたような気分を味あわされた事があってね。 やり返そうにも、1年、待たなきゃならない。割に合わないんだよ- -あたしも言いたい。会社でね、4/1、これ見よがしにしょうもない嘘を仕掛けてくる上司がいて。 それに毎回付き合わされる身にもなってよ、ホントに苦痛なんだから- それ以外にも、笑って済まされないような嘘の被害に遭ったと言う者が続出し現場は一時騒然となる。 「八百万の神々が集まるとされる出雲大社でさえ、このようなつるし上げは起こるまい」4月はそう思い、静かに着席する。 塩をかけられたナメクジのようになった4月は、自分だけが何故いつもこうした貧乏くじを引かされるのか、全く理解する事が出来ず、うなだれた状態で、5月の意気揚々とした近況報告に耳を傾けていた。
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