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シナリオと名無しの精霊姫
『チョミラスパベリバ』や『げきおこぷんぷんまる』なんて、ふざけているかのような名前が付けられているキャラが登場する乙女ゲームだけど、シリーズを通して全ルートクリアデータを引き継げなかった場合のシナリオは、前作のバッドエンドシナリオをベースに物語が展開するため、登場するキャラが重い過去を背負わされる傾向にあった。
一作目と二作目では、古代文明の時代に、地上に舞い降りた麗しき天使を己の元に留めておきたいなんて身勝手な理由から呪いをかけた人間のせいで、天使たちの肉体は呪いの影響で朽ちてしまい、魂は汚染され、報復を恐れた人間たちが封印し、真実を隠蔽するために、人間の身勝手な理由で呪いをかけられ魂まで汚染されてしまった天使たちを『悪魔』と呼び、歴史を改竄されていたという設定があったっけ。
自然界の長の他の眷属も、悪魔の眷属扱いして世界各地に封印されていたけれど、シリーズ一作目でヒロインたちが古代文明の時代に改竄された歴史の真実を解き明かして解放していくというシナリオだったわ。
シリーズ二作目では、全ルートクリアデータではなくても、どのルートか一つでもクリア済みの一作目のデータを読み込めば、解放済みの自然界の長の眷属たちのデータは反映される仕様だったの。
舞台が違う世界になっているシリーズ三作目でも、前二作と同様に、全ルートクリアデータがあるだけでバドエンフラグは折られて、バッドエンドのシナリオは回避できるけれど、そうじゃない場合のシナリオには、世界の崩壊に繋がるフラグが存在する。
悪魔『チョミラスパベリバ』と『げきおこぷんぷんまる』の生け贄として捧げられるためだけに育てられた精霊姫の死だ。
三作目の主人公が通うことになる、ルーチェフォレスト王立学園。
その創設者であった当時の国王が、千年前に自然界の長と、とある約束を交わした。
千年後の約束の時までに大いなる宝玉に魔力を満たすことができなければ、王家の血筋に連なる者を生け贄として差し出すというものだ。
万が一、宝玉への魔力提供が間に合わなかった時に備えて育てられていたのが『精霊姫』。
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