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乙女ゲームの世界に転生したようですが、わたしは誰ですか?
『チョミラスパベリバ』や『げきおこぷんぷんまる』と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
わたしが思い浮かべたのは、とある乙女ゲーム。
シリーズタイトルは、『咲き誇れ薔薇色に。桜舞う季節の姫巫女。さすれば道は開かれん。明日は必ずやってくる』だったと記憶している。
一作目が政略結婚編で、婚約者を選択するところから物語が始まる。
二作目が魔法学校編で、政略結婚編のヒロイン世代が親世代になっていて、政略結婚編の全ルートクリアデータを引き継ぐことができるかどうかで、二作目の主人公の生い立ちを含めシナリオが大きく変化する。
三作目は【if】冒険編で、一作目と二作目の全ルートクリアデータを引き継ぐことができれば、政略結婚編、魔法学校編、どちらの登場キャラも主人公が通うことになる魔法学園に同世代として登場する。
三作目は、一作目や二作目とは全く違う世界が舞台という設定だったから、そういうこともできたみたい。
そしてここで、最初の質問に戻るわけなんだけど。
「古代の言葉で怒りを意味する名前を付けられた悪魔?」
読書中にその一文を見つけ、前世の記憶を取り戻したわたしが思い浮かべたのは、この本に書いている設定に該当するキャラが登場する乙女ゲームのシリーズだったのだ。
「死語じゃなくて、悪魔の名前?」
そんな設定で使用されることなんて、あの乙女ゲームにしか存在しないと思うの。
そうだとするならば、わたしはあの乙女ゲームの世界に転生しているということ?
あのシリーズは、全ルートクリアデータを引き継げるかどうかでシナリオのシリアス度がずいぶんと変わるから、何作目が舞台かよりも、バッドエンドのシナリオに繋がってしまうバドエンフラグを折ってくれる全ルートクリアデータの有無は、わたしにとって重要だったの。
わたしがクリアしたデータがベースの世界ならば、たとえわたしが悪役令嬢に転生していたとしても断罪展開なんてことにはならない。
だけど違った場合のバッドエンドは、一作目が悪魔の生け贄、二作目が悪魔の依り代で討伐され、三作目は……そもそも悪役令嬢が登場しなかったから、三作目の世界だった場合のバッドエンドは世界崩壊だ。
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