白金川家のじいやーイーツ

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 ふたり分のアフタヌーンティーセットが入った袋を手にした彼は、ホテル玄関の車寄せへと急ぐ。 そこには、すでに黒塗りの高級車が停まっていた。 「センキュー」 ベルボーイからキーを受け取り、幸之助は車に乗り込む。 エンジンをかけて、いざ発進。 なぜか、ヘリポートに一直線。  お嬢様が、おなかを空かせて待っていらっしゃる。 日本時間で正午12時までに、白金川家に到着せねば。 大事なことだから二度言おう。 じいやーイーツに不可能はない。 なぜなら、不可能を可能に変える数々のギミックが、この車に搭載されているからだ。 「ジェットモード起動!」  彼がポチっとボタンを押せば、黒塗りの高級車が、たちまち小型ジェット機に早変わり。 エンジン全開。 5、4、3、2、1、……リフトオフ! 大空へと飛び立った小型ジェット機は、猛スピードで日付変更線を越えていく。
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