4人が本棚に入れています
本棚に追加
ふたり分のアフタヌーンティーセットが入った袋を手にした彼は、ホテル玄関の車寄せへと急ぐ。
そこには、すでに黒塗りの高級車が停まっていた。
「センキュー」
ベルボーイからキーを受け取り、幸之助は車に乗り込む。
エンジンをかけて、いざ発進。
なぜか、ヘリポートに一直線。
お嬢様が、おなかを空かせて待っていらっしゃる。
日本時間で正午12時までに、白金川家に到着せねば。
大事なことだから二度言おう。
じいやーイーツに不可能はない。
なぜなら、不可能を可能に変える数々のギミックが、この車に搭載されているからだ。
「ジェットモード起動!」
彼がポチっとボタンを押せば、黒塗りの高級車が、たちまち小型ジェット機に早変わり。
エンジン全開。
5、4、3、2、1、……リフトオフ!
大空へと飛び立った小型ジェット機は、猛スピードで日付変更線を越えていく。
最初のコメントを投稿しよう!